SENBA VOGEL

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KORETTEBA AGENCY
キリマンジャロ登山−実録偏-

キリマンジャロ登山−実録偏-

キリマンジャロに登ってもう2ヶ月が経った・・・今更かっこ悪いがコレで完結しようと決めていたので書きます。

今回の記事はネットで調べてもなかなか得れない情報になるのは間違いない。
言い換えれば本気でしかも単独で行く人でないと楽しめない記事でもある。
また、内容も不十分でもある。
要は、言い訳である。

・ジョモ・ケニヤッタ空港はとてもわかりやすい。人の流れに身を任せれば荷物がぐるぐる回るところまでいける。
それで、荷物を取ったらもう振り返れば出口である。
両替は出てからでもいけるが、空港内でも両替ができる。
オススメはこの時点では空港内で無難に両替した方がいい。外に出るとお出迎えがすぐに車に連れていこうとするからだ。
両替金額は、2,000円もすれば十分足りる。

ジョモ・ケニヤッタ空港の駐車場

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空港でお出迎え後、約30分くらいケニアの市内に向けて車を走らせる。
途中売り子からバナナを購入。一房100ケニアシリング(約100円)?やったかな??? 
ケニアの人は英語が話せる。その為、車内での会話は英語になる。
牛もヤギも人間も意味不明な鳥もたくさん同じ道を利用する。

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ビルが立ち並び道も舗装されているケニア市内。真昼間だというのに、外国人(観光客)の姿は見えない。
この時点でやはり危ない街だと思った。

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10時間以上の機内と6時間のトランジットと30分のドライブの後、ようやくホテルにチェックインをする。
僕が宿泊したホテルは「CONFORT INN」
DODOWORLDの担当の木目澤さんとのやり取りで、コレ以上安いホテルは危険ですと言われたホテルだ。
でも後に、ホロンボハットで出会う勇敢な日本人バックパッカーの話を聞くと、運さえ良ければユースホテルでもいけそうな感じがした。
立地は地球の歩き方で治安が悪いとされているダウンタウンの2ブロック隣だった。
お陰で、夜中の1時ぐらいまで騒音が激しかった。

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「CONFORT INN」は1階がフロントで2階はレストランとバーとコーヒー専用カフェ。3階以上が宿泊施設になっている。
2階の施設は宿泊者専用ではなく、一般の人にも開放しているため知らずにバーに入りケニアのビール「タスカー」を飲む。周りは全員ケニア人。向かいにも同じようなバーがあったので冒険心から1杯だけ向かいのバーにも足を運んだ。
1時間ほど誰とも話すこと無く、ケニア人に囲まれて飲んだ後、コーヒーを呑みにカフェへ!ここで初めてキリマンジャロコーヒーを食す。

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翌朝。。。7時にチェックアウトをして、小さなロビーで待つ。
ペラペラの紙切れをもった若者が、僕に指を差して「来い」と合図する。
怖いけど着いて行く。
乗合バスがたくさん集まっている。
ハイエースに乗り込む。
次々とケニア人が乗ってきて、はいっ!出発!

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アフリカの街並み風景は見応えが充分にあった。何時間走っても飽きさせてくれない。

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悪路だらけの道を走り、国境の街「ナマンガ」に着く。
ここで出国手続きをしてから入国手続きをする。
詳しく手順を書きたい所だけど、余裕が無かった為ここにかけるほどはっきり覚えていない・・・
ただ一言はっきりしていることは「ナントカナル」って事。

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タンザニアに入ってからモシに向かうまでは、広大な自然風景とマサイの人がちらほら歩いているのが見られる。

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モシにようやく到着。
宿にチェックイン後、ここで初めてキリマンジャロ登山のガイドと会う段取り。
しかし、オーバーブッキングをされているらしく、チェックインができない。
英語は話せない。もうテンパルしか無い。
結果違うホテルを用意してくれたのだが、場所が異なるため明日ピックアップされるかがとにかく心配だった。
とにかく、キリマンジャロ登山に関する説明会が始まった。10人程中庭に集められ全員欧米人で日本人は僕だけ。。。
勿論説明は英語。さっぱり分からない。
メモを真剣に取る婦人や質問をやたらする若者カップル。
念を押すように話すツアーコンダクター。
これぞ、アウェーではないか!
でも1つだけ最大に重要な注意を聞きとる事が出来た!
「マラリアの予防薬は飲むな!」(マラリアの予防薬は血中濃度を低下させる為?らしい)

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説明会ごガイドのジャッキーと打合せ。っていっても英語がわかんないので笑顔と笑顔のぶつけ合い。
とにかくもう横になりたいのでチェックインがしたい。

30分後、ようやく専用車で「LEOPARD HOTEL」に着く。英語では「レオパード」というが、なぜかタンザニアの人は「レオパルド」っていうてた。
まあ、こましなホテルだったので安心したが、夜中3時から朝の6時までモスクの祈りが爆音で永遠聞こえるホテルだった。まじで参った。。。

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翌朝、無事ピックアップされ集合場所へ。
貴重品はホテルのセーフティーボックスに預ける事にした。
所持金はドルで100ドルほど持っていくことをおすすめする。
それ以外の荷物は全て持っていくことになった。
周りを見渡すと、マイガイドのジャッキーもちゃんと来ている。それにしてもジャッキーはダサい。これで36歳だ。
ただでさえ顔がオヤジ臭いのに、服装がそれに拍車をかける。
でも、ゴーイングマイウェイなスタンスは嫌いではない。

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モシの街を抜け、マラングゲートへ到着。

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マラングゲートで入山手続き(サインなどするだけ)をしていざ出発

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子供が持っているのはカメレオン。これぞシャッターチャンスとシャッターを切る。
僕:「サンキュー」
子供:「チップ」
うかつだった。

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気を取り直して歩く。初日はジャングルの中を歩く。

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※行程(移動時間など)に関しては、以前に書いた記事の行程偏を読んで頂ければと思う。またこのへんの情報はNETでもたくさん掲載されているので、ここではカットさせて頂く。

これが初日のランチ

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登場する動物もひと味違う!マングース!

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咲く植物もひと味違う!ロベリア!

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食事はどこのツアーに頼んでもこんな感じのメニューになる。

朝:ポリシ(おかゆ)・スクランブルエッグにソーセージにサラダ・食パン・デザート・飲み物(コーヒー、紅茶、ミロ)
昼:チャパティー・スープ・メイン(ピラフ、チキン、ポテト、その他おかず)・デザート・飲み物(コーヒー、紅茶、ミロ)又はランチパック
ティータイム:大量のポップコーン・飲み物(コーヒー、紅茶、ミロ)
夜:チャパティー・スープ・メイン(ピラフ、チキン、ポテト、その他おかず)・デザート・飲み物(コーヒー、紅茶、ミロ)

って事でこれが6日間続く。正直高山病にならなかった僕にとってはありがたい事に食事が一番きつかった。
こちらは「残すと悪い」と思っているのに、ウェイターは「それでもおもてなしをしないと悪い」っといった感じで両者一歩も引かない。。。

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高度2,729メートルに位置するマンダラハット内はこんな感じ

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外はこんな感じ

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翌日は、高度3,780メートルのホロンボハットを目指す。
その道程は日本の緩やかな歩きやすい山道をゆったり歩くのに似ている。
植物も背丈ぐらいになり、時には「シナシア」といったドデカイ歪な植物がでてくる。

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ホロンボハットに到着すると、キリマンジャロの頂きと対局してマウエンジ山が堂々と見える!そして振り向くと永遠につづく雲海。
この光景はなんとも言えない高揚感が生まれる。

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ホロンボハットもマンダラハットも部屋の中はおんなじ感じ。僕はいつも上段のベッドを選んだ。
各ハットには管理事務所があり、そこへの手続きはガイドがしてくれる。なのでそこではサインをするだけだ。
ハットについてもう少し書くと、だいたい6人〜10人ぐらい入れる小屋が数十個立ち並ぶ。
鍵は1個しか無い。。。よって誰が鍵を管理するかは、その場のノリとそれぞれの行動で決められる。
勿論、宿泊者は国籍もバラバラなら他人である。
この時ほど、英語を話せる人が羨ましいと思ったことはない。僕は一度、インド人と大部屋にいれられた。その時、インド人のマイウェイな精神に振り回され、極寒のなか、なかなか部屋に入ることが出来なかった。
夜になるとインド人とタンザニア人の見分けがつきにくい。。。

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次の日は、高度順応の為「ゼブラロック」まで足を運ばせた。高度は4,000メートルぐらいだろうか???

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ゼブラロックに到着後、岩を左にまいて岩場を15分ほど登る。
視界が開けキリマンジャロの頂きと明日通るルートを見下ろす。

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この日はこれだけ。。。このあとティータイム後からの夕食が待っている。。。運動量が少ないため苦痛である。

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夕暮れのホロンボハット!明日はキボハットと登頂アタック!

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4日目の朝。とうとうあと十数時間でキリマンジャロの頂上に立っているか立てていないかが決定している。そう思うと自然に浮き足立つ。早く出発したい気持ちと、逃げ出したい気持ちが交差する。
天気は突き抜けるような青空で申し分ない。
各パーティーも出発の準備を始めていた。
ガイドのジャッキーが呼びにきて挨拶を交わすのも意識を揃えるのも4日目までずっと一緒にいると、手馴れたものになってくる。
「行きましょか〜ジャッキー」

歩き始めて、ひと丘超えるとそこにはまっ平らな大地と右手にマウエンジ。正面にキボ峰がはっきり見える!
不思議な感覚で、今思えばこの時に登頂を確信したかもしれない。キリマンジャロが迎え入れてくれたかのような感覚がした。山に登ったことがある人ならこの感覚を一度は味わったことがあるだろう。

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約10キロの道のりを歩き無事にキボハットに到着。ココは富士山より高い。。。キリマンジャロを表現するならイモトが言っていたように「富士山の上に富士山」この表現が一番近い。

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キボハットのトイレはボットンである。ここまで日本の山より綺麗なトイレが完備されていたハットとは明らかに違う。
しかも心苦しいことに垂れ流しなのだ。。。日本から行く方はモンベルの自然に戻るトイレットペーパーを是非持って行って欲しい!


キボハットに到着後、高度順応と思いガイドが「休んでおけ」という忠告を無視して少し上の方へ登ってみる。
高山病の症状は全くない。一番心配していた下痢もこない。体調は万全だった。
あるタンザニア人に出会うまでは・・・

ウサンバラツアーズのヨハネと出会ってしまった。
ヨ:「散歩か?」
僕:「そうだ」
ヨ:「タバコをくれ」
僕:「・・・・」(2本あげる)
ヨ:「よし!つきあってやる!どこまでいくんだ?」
僕:「てきとうだ」
ヨ:「オレについてこい」

そうしてじゃれながら登ること1時間30分。
タバコを吸いながらしかも完璧なオーバーペースで5000メートル地点のウィルソンズポイント手前まで来てしまった・・・
しかもこの高度でヨハネは走るは空手の真似をするわっ。

こいつにつきあっていたらこのまま頂上に着いてしまう。。。これはいかんと引き返す。

このキボハットでの過ごし方には2通り理論がある。それは高山病対策として「寝る」か「寝ないか」だ。
僕は寝た。ぜっったい寝て体力を回復させたほうがいいに決まっている。
大半の人は寝ていたし。
これから行くほとも心配しないで寝て下さい。大丈夫です。


午前0時:いよいよ出発。

誰よりも早く用意を済ませ、ジャッキーを待つ。
次々と見慣れたガイドが見慣れた登山客をガイドしていく。
一人また一人と頂上アタックに心揺さぶられてハットを後にする。
・・・・・・・・・ジャッキーがこない・・・・
ガイドが宿泊する場所まで行き他のパーティーのガイドに
「ジャッキーは?」
と尋ねると、まさかの
「SLEEPING」
・・・・ありえない。このガイドありえない。
ジャッキーが寝てる小屋の前で
「ジャッギーーーーーおきんかい!」
叫んでやった。
10秒後に何も無かったように出てきた。。。
「コレモンドゥフ」(チャガ族の言葉で「問題ない」)
もうここまでくれば怒っても仕方がない。

こいつにかける!大丈夫!

長蛇の列が前に上に長く伸びる。最後尾からのスタートとなった。
ジャッキはーありがたい事に歩行ペースが早いほうだ。しかも僕には早すぎる事無く程よいペース。

みるみるうちに列の中段まで追いつき、2時間後(ウィルソンズポイント)まで来たときには、数組しか前を歩いてない。100人近く追い抜いた。

そこからギルマンズポイントまでは静かな登山になった。
寒さが体にこたえる・・・鼻水が止まらない・・・
しかし、確実に着実に頂上に向かっていることがわかる。
登山をしている時、いつも仕事とだぶってしまう。1つずつクリアすればいつか仕事が終わる。当たり前のことだけどそんな自分の功績を山に登ると実感できるのだ。

朝日を迎えること無くギルマンズポイント5,685メートルに着く。
ジャッキーに心から感謝をした。
そして抱き合った!

つかの間の喜びを分けあってウフルピークに向かう。

さすがに足が重い・・・寒さで酸素が体を上手く循環していない気がした。
視界にウフルピークが見える。
あと200メートルも無いぐらいの所で、朝日が顔を出し始める。

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背中に朝日を感じてから、涙が止まらない。
とても暖かく強い「なにか」に包まれている気がする。そんな「なにか」に認められ褒められて、それが嬉しすぎて・・・

午前5時過ぎ。無事「ウフルピーク5,895メートル」に到着。
ジャッキーに涙ながら握手をする。何回も「ありがとう」と礼を言った。

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頂上から見たクレーター

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頂上からのマウエンジ

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この道を登って来たんだから自分で自分を褒めてあげたい

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午前0時に出発し、ホロンボハットに着いたのは16時
10時間以上歩いた。
さすがに疲れた。めちゃくちゃ疲れた。でもめちゃくちゃ良かった!最高に興奮した!この経験は今後の僕の短い人生に大きく影響を与えると思う。
ってか帰国してから実際大きく変わった。そして行動している。
本当に全員に感謝したい。

6日目の昼。無事にマラングゲートまでたどり着き、普段飲まないコーラを一気飲みした。

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2011年11月 6日 01:35